
はじめに | お酒をやめずに、ぐっすり眠りたいあなたへ
夜の一杯が日々の楽しみ、という方も多いのではないでしょうか。
私もその一人で、平日はほどほどに、週末はちょっと贅沢に…というように、長年お酒を楽しんできました。
ただ、ある時からふと気づいたんです。
「ちゃんと眠ってるはずなのに、朝すっきり起きられない」「疲れが残っている気がする」と。
よくよく振り返ってみると、寝始めはスッと眠れるけれど、深夜に目が覚めてしまうことが増えていました。
そして明け方、トイレに行きたくなって目が覚める日もちらほら…。
“お酒が睡眠の質に悪い”という話は聞いたことがあっても、
そのマイナスの体験は、思っていたよりもたくさんありました。
でも、お酒をゼロにする生活は考えられませんでした。
一日の終わりに好きなグラスを傾ける時間は、忙しい毎日の中で、数少ない「自分だけの楽しみ」。
だからこそ、無理に我慢するのではなく、「お酒とうまく付き合いながら眠りの質を整える方法」を探しました。
なぜお酒を飲むと“ぐっすり眠れない”のか?
お酒を飲むと「すぐ眠れる」という実感、ありますよね。
これは科学的にも正しく、アルコールには一時的に眠気を誘う作用があります。
でも問題はその“後”。
🔹寝つきはいいのに、途中で目が覚める理由
アルコールは脳内のGABA(ギャバ)という“リラックスのための神経伝達物質”の働きを強めることで、私たちをスッと眠りに誘います。
ところが、その効果が切れ始めるころ(3〜4時間後)、
脳はGABAの影響を打ち消そうとして、逆の作用をもつグルタミン酸を増やし始めます。
このグルタミン酸は、覚醒を促す“興奮物質”。
つまり、夜中や明け方に目が覚めてしまうのは、身体が無意識に覚醒に傾いているからなのです。
🔹眠っているようで「深く眠れていない」
また、アルコールを摂ると「深い眠り(ノンレム睡眠)」の時間が短くなるという研究もあります。
そのため、脳も体も十分に回復できず、朝になっても“だるさ”や“疲労感”が残りやすくなるのです。
お酒をやめずに、ぐっすり眠るために整えた5つの習慣
お酒は楽しみ。でも眠れない夜が続くと、翌日のパフォーマンスにも影響してしまいます。
そんなジレンマの中で、私が少しずつ見直していったのが「飲む時間帯」や「寝る前の過ごし方」でした。
「全部は無理」でも、できることから試した5つの工夫をご紹介します。
以前は、夕食が遅くなった日ほど、夜遅くまでダラダラ飲みがちでした。
でもこれが、睡眠の質を大きく下げていた原因のひとつ。
🕐 寝る2〜3時間前には飲み終えるようにした
アルコールの代謝には時間がかかるため、寝る直前の飲酒は“睡眠中にアルコールが分解される”状態をつくってしまいます。
すると体は“睡眠モード”になりきれず、結果的に浅い眠りに。
思い切って「寝る3時間前に飲み終える」と決めてからは、明け方の目覚めが格段に減りました。
💧「水を飲むとトイレが近くなる」…それでも水を飲んだほうがいい
お酒を飲むと、ただでさえトイレが近くなるのに、
「さらに水まで飲んだら、余計に起きるのでは…?」と思っていませんか?
実は私もそう思って、長年「お酒の後は水を控えよう」としていました。
でも、実際には逆。水をしっかり摂ることで、夜中の目覚めが減ったんです。
というのも、アルコールには強い利尿作用があり、
体から水分がどんどん出ていく=脱水ぎみになることがよくあります。
脱水状態になると、体はそれを補おうとして、喉の渇きで目を覚まさせるんですね。
そこで私が始めたのが、お酒と一緒に水を飲む「チェイサー習慣」。
さらに、寝る前にコップ1杯の水を飲むようにしたら、
夜中に喉が渇いて起きることがほとんどなくなりました。
トイレの回数が増えるかも…と思っていたけれど、
むしろ深く眠れる時間が増えた実感のほうが大きかったんです。
🧘♀️寝る前にストレッチポールで“ゆるストレッチ”
飲んだ日は、体がだるかったり、眠いのに脳が冴えていたりすることが多くありませんか?
そんな時こそ、「体をゆるめる時間」をつくるのが大切。
私はストレッチポールに寝転がって、呼吸を深めながら5分間ストレッチをするようにしています。
背骨まわりが伸びると、自律神経のうち「副交感神経(リラックスモード)」が働きやすくなり、心が落ち着いて、「あ、眠れるかも」と思える状態をつくれるようになりました。
💡寝室を「眠るだけの空間」に整える
以前は、スマホを充電する場所が枕元にあり、寝る直前までSNSを見ていました。
お酒が入っていると、ついスクロールが止まらず、ブルーライトで脳も覚醒…。
そこで、スマホは寝室の外に置き、照明も暖色系に変更。
アロマを焚く日もあり、「ここに入る=寝る準備」というスイッチが自然と入るようになりました。
🛏️「眠れなくてもいい」と思って布団に入る
最後に、いちばん効果があったのがこの“考え方の見直し”。
「また夜中に起きちゃうかも」「早く寝なきゃ」と思えば思うほど、なぜか寝つけない…。
でも、「眠れなくても、体を横にするだけでも休まる」と考えるようになってから、逆にスッと眠れる日が増えました。
お酒をやめない前提でも、“できること”は意外とたくさんあります。
小さな習慣の積み重ねが、翌朝のすっきり感に確実につながっているのを感じています。
まとめ|お酒をやめずに、“睡眠の質”を整えるヒント
お酒と睡眠の関係は、私たちが思っている以上に深いものかもしれません。
楽しい時間をくれる一方で、睡眠の質に影響を与える——これは、私自身が何度も体感してきたことです。
特に40代に入ってからは、夜中に目が覚めてしまうことや、朝の疲労感が気になるようになり、「ただ寝るだけでは回復できていないな」と感じることが増えてきました。
それでも私は、お酒をやめたいとは思いませんでした。
だからこそ、「飲む習慣はそのままに、どうすれば快眠に近づけるか?」という視点で、自分なりの工夫を少しずつ積み重ねてきたのです。
たとえば、
・お酒を飲む時間を見直す
・寝る前に水を一杯だけ飲む
・背中をゆるめるストレッチを取り入れる
…そんな小さな行動が、朝の“すっきり感”につながっているのを感じています。
これらの習慣はどれも、特別なものではありません。
けれど「自分の体をいたわる」という視点で選んだ、小さな行動の積み重ねです。
お酒をやめずに、心地よく眠れる夜を増やしていく。
そんな“折り合いのつけ方”があってもいいんじゃないかなと思うのです。
あなたにとっての快眠ルーティンも、ここから見つかりますように。
リリーでした。
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